マネジメント層へのプロジェクト研修で、一人ひとりが成長し、組織が変わる原動力に
学校法人ホンダ学園 ホンダ テクニカル カレッジ 関東
教務部 部長
達富 由樹 様
(プロフィール)
自動車部品メーカー勤務を経てホンダ入社。燃料電池車などのシステム開発、小型モビリティ開発部署のマネジメント等に関わる。その後本田技術研究所を経て、2020年より現職。
学校法人ホンダ学園は、自動車メーカーのホンダが運営する自動車大学校として、次世代の自動車整備エンジニアと開発エンジニアを育成しています。本田技術研究所から赴任してきた達富さんからは、同学園の管理職育成を通じた組織改革支援に向けてご相談をいただき、現場課題に即して弊社がご提案する研修とともに、越境型の人財育成の場であるイノベーションデザインリーダー養成塾をご活用いただいています。
弊社のコンサルティング方針や手法は、他社とどのように異なるから成果につながるのか――達富さんにお話しいただきました。
プロジェクトのつくり方、進め方という概念を学ぶ
達富さんは、弊社の長年のお客様である本田技術研究所デザインセンターに2017年から2年間在籍していた際に、弊社との共同プロジェクトやワークショップにご参加いただいていました。その後、2020年からホンダ学園に異動して以降も、折に触れて弊社代表の松岡、取締役の下家に近況をお伝えいただくとともに、あるご相談もいただいていました。
達富さん:学校が示す教育目標に対して、教職員の皆さんは仕事のなかで多くの問題があることを認識しているのですが、個々の能力が高いために、自分で独自に考え判断して動いて、結果として組織の目標に到達できないケースが数多くありました。個人で動いてしまっていて、グループやチームの周りの人の状態を把握しながら物事を進めることができていないように見えました。
こうした状況に対して、達富さんはなぜだろうと思うと同時に、このような仕事の進め方をどこで学んだか改めて考えたといいます。
達富さん:私は新卒で入った会社の新入社員研修など体系的な研修で学びました。ただ、ホンダは仕事をこなしていく中で先輩やチームから自分で学びなさいというスタンスの会社。結局のところ、ホンダ学園ではマネジメントが十分でなく現場の実態に適切に入り込めていなかったために、現場がうまく回っていなかったということが分かったのです。
そこで、弊社はマネジメント層の皆さん対して、主にプロジェクトマップを用いながらプロジェクトへの取り組み方を学んでいただく機会をご提案、実施しました。すると、明確な変化があったといいます。
達富さん:これまでとの進め方の違いに気づいて、仕事の仕方や認識が変わってきているように感じます。また、学園内ではすでにいくつか具体的なプロジェクトが動いているのですが、このうち達成したプロジェクトを取り上げて、単にうまくいって良かっただけで終わらせず、なぜそれがうまくいったのかを皆が理解できるようになったと思います。
本に書いていることではなく、実際の事象をもとに導いてくれる
弊社はこれまで、上場企業から創業企業の後継者など主に企業向けにご支援してきました。ホンダ学園のような教育機関へのご支援は初めて。なぜ弊社にご相談いただいたのか、達富さんはこう話します。
達富さん:通常の研修ですと、書籍などにも書かれていることが伝えられますが、そうなると自分の現状に置き換えなくてはなりません。一方、かたちえは実際の事象に基づいて解決する手段を示してくれるのです。実際に起きていることに対して、方向性の正誤を判断したり、視点を変えたり、考え方を変えたりといった頭の使い方と、それらのプロセスを見える化できるツールを教えてもらえます。
ご支援を始めて1年、教職員の皆さんに少しずつ変化が出てきたと達富さんは見ています。
達富さん:構造思考やデジタル思考を学ぶことで、視覚的に理解が進んだのでしょう。自分の言葉で伝えられることで自信が出てくる、そうすると視点が広がる――そんな相乗効果が見えてきました。より多くの問題解決を体験して、経験を深めてもらいたいと思いますね。
先生たちの教える力を高めるワークショップを実施
2023年8月には、教育やトレーニングで効果的な指導を行うためのスキルであるインストラクショナルスキルを学ぶ1日半のワークショップを若手教員向けに実施させていただきました。学生への対峙の仕方として、ナレッジの伝え方やアクティブラーニングを超えた本質的な人との接し方といった、いわゆるインストラクショナルスキルの向上を目的とした、非常に実践的な研修です。
初日のワークでは、教員の皆さんが実際に授業で扱うテーマを題材に、授業の構成を考えて実演、フィードバックし合いました。翌日には、授業の工夫やその他の教務などで今後実現させたいことを書き出し、実現に向けた方策を話し合いました。それぞれの現場や組織で実際に起きていることに基づき、現場や組織の課題解決につながる実践を授けることが、弊社の研修の大きな特徴です。
達富さん:今までも一日研修はやっていたようなのですが、グループワークはあっても、実際の授業を題材にしているわけではありませんでした。研修会社が持ってきた外の事例ですので、知識としては増えますが、実際の現場での活用は自分たちでやってね、ということでした。もちろん、われわれがやれればいいのですが、やはりできない。時間が経って風化してしまってもいました。
しかし、かたちえは学園内で実際に起きた具体的な事例に基づいたフィードバックをしてくれます。その場の先生方の状態に基づいて、臨機応変に研修をアレンジできる力を持った会社はなかなかありません。そこが、かたちえの最大の魅力です。
マネジメント上のキーパーソンを全方位から重点的に支援
弊社では今年度は、組織運営に関わる仕事をしてもらうマネジメント層の皆さんに、自らの力でプロジェクトを運営できるようになっていただくべくご支援しています。中でも、マネジメント上のキーパーソンには7月から開講した弊社のイノベーションデザインリーダー養成塾にもご参加いただいています。
塾に参加している中野 健二さんは、約2か月間のご自身の変化について「異業種の方々と関わる中で、自分の仕事や人生のビジョンに対して『やりたい!』というモチベーションが湧きあがってきている。自分に足りていない『一歩を踏み出し、継続していく』ということを塾で身につけていきたい」などと意気込みを話してくれました。
達富さんは、塾のような社外の人たちと学び合う実践的な場にマネジメント層を派遣する意義をこのように語ります。
達富さん:マネジメント層への働きかけは時間がかかるものですが、成果が出るほど組織全体が変わる原動力にもなると思っています。今は大変な時期ですが、マネジメント層に力をつけてもらって任せられる人材が増えれば、僕も気持ちが楽になりますしね(笑)。
弊社では、ホンダ学園様のような教育機関などさまざまな組織の課題解決や個人の働きがいの増進に資するコンサルティングをこれからも行って参ります。
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