かたちえ|katachieは構造思考・システム思考・ワークショップ・マインドマップセミナーなど通じて、成果を創り出すお手伝いをしている東京のコンサルティング会社です。思考を戦略に変えるマインドマップ・フォトリーディング・スレングスファインダーなどのツールを用いてお客様の問題・課題に合ったソリューションを提供しています。

【研修事例紹介】「視点・視座・視野」をチームレベルで高める思考力向上トレーニングの極意

【研修事例紹介】「視点・視座・視野」をチームレベルで高める思考力向上トレーニングの極意

【研修事例紹介】「視点・視座・視野」をチームレベルで高める思考力向上トレーニングの極意

グローバル 企業のクリエイティブ部署に所属する管理職候補約30名に対して、思考力を高めるトレーニングを全5回にわたって行いました。長期的な人材育成プロジェクトの一環として組み込まれた研修で、参加者のうち、さらなる選考を通過した少数メンバーには、実践に即したハイレベルな研修へと進んでいただきました。

 

評価指標の変更で見えてきた、部署の欠点は「思考力」

こちらの企業様の 依頼内容は「数年をかけて人材育成のレベルアップをしたい」というものでした。会社全体の評価基準に則った人材育成を目指したいものの、どのようなキャリアコンピテンシーが望まれているのかは明確ではない、という状況でした。ただ、過去の能力評価の結果「本クリエイティブ部署については、明らかに思考力のレベルが相対的に低い」 という数値が出ていました。また、 多くのメンバー が「直感型」の傾向があるということでしたが 、これはクリエイティブの部署にはありがちなことと言えるでしょう。この結果から、まずは思考力を鍛えなくてはならないという前提から研修内容を構築 していきました。

 

「進化しながら循環する」研修とは?

 

かたちえが提供する全ての研修に 言えることですが、「段取りが全て」ということを強く意識しています。この研修では、第1回の前に社全体の評価基準の素となるコンピテンシーの分析を独自に行い、どのような能力が求められているのか洗い出しをしました。その分析結果をもとに、60問を超えるアンケートを独自に制作し、参加者に回答してもらいました。

かなり負荷と手間がかかる作業をしたのですが、本アンケートの狙いは大きく三つありました。まずは参加者の能力を知ること。先述したようにコンピテンシーについての充分な情報はなく、大まかな指針が明かされているのみでしたが 、 人材育成については豊富な経験がありますので、アンケートを実施することである程度の予測はつけられます。

二つ目は個人の思い入れを知ることです。この企業の中で何を成し遂げたいか、そしてそのためになぜ「思考力」が必要なのかということを書き出してもらいました。これは、参加者がどの程度「思考力を向上させたい」という気持ちがあるかを確認するもので、この認識がズレてしまうと、私たちが提供する内容を実践で生かすところまで結びつけられなくなる恐れもあります。個人の熱量を把握する、というのは非常に重要なのです。

最後に、マネージャーが参加者をどう評価しているかという視点を研修に取り入れるために把握することです。

アンケートでは、参加者それぞれの強みや課題、期待する点、そして不足しているものは何かについて、全員個別に回答してもらいました。これら全ての情報を一人ずつまとめ、第1回の研修でフィードバックを行います。これはかなり工数もかかる作業ですが、この手厚い段取りを研修開始前に行うことで、研修結果にも大きく影響を与えています。

さらに全5回という短い期間で効果を出すために、毎回のワークごとにアンケートを全員に書いてもらい、理解度や反応など研修のリアリティに合わせて次回のワークの内容調整をしました。参加者の皆さんもこちらの動きや意図を大変よく理解してくれて、こちらがお伝えする内容にさらにコミットしてくれたという手応えを感じました。 かつ、毎回の研修中にアンケートのフィードバック(良い内容のコメントおよび質問への回答)もしていたので、自分のことが語られる楽しみ、という側面も出て来て、アンケートと研修との良い循環が作られていきました。

 

手順を知れば思考は引き出せる。参加者の確かな手応え

 

(画像は別のワークショップのイメージです)

 

研修では、視点・視野・視座の高度化と地頭力向上のためのワークを通じて、適切なプロセスで思考すれば、自ずと思考力は上がっていくことを体感していただきました。具体的には、ミニマップという手法を用いて「この企業の可能性」について10分間で書き出し、再度考えて・書いて・話して・フィードバックする、という作業を繰り返し行いました。これ だけで一回のワークが終了するほど、とことんやり込んでいただきました。さらに、2回目に向けてホームプレイ(ホームワーク【MUST】ではなく、プレイ【WILL】、つまりエンジョイする)という、持ち帰りの課題も行ってもらっています。参加者の方には、第1回の内容からかなりの思考力が向上した手応えを感じていただけており、アンケートで書いてもらった内容を一部ご紹介します。

「毎回頭が沸騰しそうですが、本当に自分にとって必要なワークショップと感じています」
「メタ認知という概念を知ることができた。スケッチクリエーションと思考活動の共通概念を実感」
「グループメンバーの違いが出て面白いです。目からウロコ!」
「悔しいけれどプレゼンが上手になってきちゃいました!」
「とても実践的で、午前の講義が午後の仕事に活かせる!自分が今までいかに自分の理解したことしか持ち帰っていなかったか実感」

また、初回の講義で皆さんに「研修が嫌いな人?」と聞いています。そうした会社や部署によって異なる参加者の温度感を知ることも含めて、プロジェクト全体をグリップしていくということも重要なことだと考えています。さらに、「自分が成長していると感じられる研修は初めてかもしれない」という声もいただきました。

 

参加者全員へ個別フィードバックして「不足」ポイントを伝える

 

 

本企業様では全5回の研修が終了した後、次のステップに進むことができる少数メンバーを決めるために、論文とプレゼンテーションでの審査会 を行いました。論文は思考力向上を確認するために弊社から提案した内容で、今年初めて実施したものです。この論文というのもクリエイターにとってはあまり馴染みがなく、書いたことがある人はかなり少ないのではないかと思います。しかし、全5回の研修を通じて、方法論をお伝えしていることに加えて、思考力が身についているので「論文の書き方」などの指導をしなくても、簡単に書くことができるようになっています。

審査会を含めた本研修の全体設計と論文書きについてですが、もちろん通過できるのは数名ではありながら、研修結果を試すテストのようなものでは決してなく、最終目標は全員が通過できるように、という観点で思考能力と学習のチェックをするという目的で実施しました。ここでの最大のポイントは、ゴール(管理職になること)から逆算して何が不足しているのか、それを補うために何が必要なのかを設計し、実行したということです。これは、実践に即した高位の研修にもつながっていますが、勉強法の原則となる思考の方法や物事の理解の仕方、持続的に飽きずに効果を生み出す方法論なども伝えました。要するに、全員が管理職になれるスキルを身につけられる道筋を全部作ってあげたと言えるでしょう。

さらに、当初の予定にはなかったのですが、審査会プレゼンテーションの後、マネージャーから選考に漏れたメンバーのフィードバックをして欲しいという依頼があり、かなりの大仕事でしたがお引き受けしました。彼らも人生が変わるかも知れない局面で、適切なフィードバックをしてあげるべきということもありますし、大きな企業に所属していると外からのフィードバックやアドバイスというものを受ける機会もなかなかないからです。これはかなりいい刺激になったと思いますし、ご本人からも同席したマネージャーからも大変喜ばれました。

 

思考力向上のノウハウがここに!全ての企業にとって大事なわけ

 

 

今回の研修は、短い期間の中でかたちえサイドと参加者、企業様が共創し、研修の内容自体も変化していくという、全体的に一緒になって作り出すという特殊なプログラムでした。こちらとしてもかなり負荷をかけて実施しましたが、リアリティに対しアクションを変えていくという、まさに緊張構造を用いた研修でありプロジェクトになっています。だからこそ、結果もしっかり出たと思っています。

「思考力が高まった」という感想を非常に多くいただいていますが、それはやり方を知らなかっただけで、しっかり整備すれば引き出せるということを実感してもらえたという感触があります。特に、実践として「上司に報告をする際、自分の話が伝わりやすくなった」 という声も聞きました。自分の思考はもちろん、他人の思考までも構造的に捉えられるようになった結果だと思います。

今回はクリエイティブの部署というのを発端に思考力向上にフォーカスして研修を行いましたが、思考力はどの会社・部署であっても絶対に必要な能力です。視点・視座・視野の高め方は、キーワードとして上司から「視座が低い」などとリクエストされることはあっても、高め方は誰も教えてくれないのではないでしょうか?かたちえには強固な再現性を持つノウハウがありますし、今回のように共創して研修を作り上げていけるという、他にはない強みがあります。それらの掛け合わせを「思考力向上プログラム」として今後広めていきたいと考えています。

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