かたちえ|katachieは構造思考・システム思考・ワークショップ・マインドマップセミナーなど通じて、成果を創り出すお手伝いをしている東京のコンサルティング会社です。思考を戦略に変えるマインドマップ・フォトリーディング・スレングスファインダーなどのツールを用いてお客様の問題・課題に合ったソリューションを提供しています。

メンバーと組織を成長させて、自分らしさを発揮する~「三方良し」のリーダーのあり方とは?

メンバーと組織を成長させて、自分らしさを発揮する~「三方良し」のリーダーのあり方とは?

メンバーと組織を成長させて、自分らしさを発揮する~「三方良し」のリーダーのあり方とは?

私たち㈱かたちえでは、異なる業界に属する、異なる背景を持った多様な参加者による越境型の人材育成塾を、10年以上にわたって開催してきました。「トップリーダー養成塾」「セルフリーダーシップ養成塾」「イノベーションリーダー養成塾」---。名称は変わってきましたが、時代が求めるリーダーシップをそれぞれの立場や居場所で発揮しながら自分らしい生き方を追求できる人材を育成してきました。

今回ご紹介する大手メーカー管理職の田邊奉和さんは、半年間の塾での学びと参加者同士の関わり合いを通じてご自身のリーダーシップのあり方に気づき、職場でどんどん発揮するようになった結果、大きな成果を手にした方です。私たちが親愛を込めて「なべちゃん」と呼ばせていただいている田邊さんは、当社の塾を通じてどのようにご自身のリーダー性を磨き、組織に貢献されているのか――。田邊さんにお話を伺いました。

11人のチームを率いて社長賞を受賞

田邊さんは入社以来、生産管理や企画管理、労働組合専従、営業などを歴任。管理職になる1年前というタイミングで同じ会社内の先輩からの声掛けもあって、トップリーダー養成塾2019年度第7期に参加しました。業種も背景も異なるほかの6人の同期生とともに、個人の課題に向き合いながら、複数人によるチームではリーダー像をテーマとした探求、発表を行いました。

塾終了後は折しもコロナ禍に入っていきましたが、生産管理部署で11人のチームメンバーとともに業務効率化に関する取り組みを着々と進めてきた田邊さん。その内容が評価され、2023年7月に働き方改革につながる優れた取り組みに贈られる社長賞に相当する賞をチームとして受賞しました。

生産管理というものづくりの要でもあり、膨大な業務範囲を管理する取り組みで具体的にどのようなことを行ったのでしょうか。

田邊さん
「200を超える項目の生産管理業務について、チーム内の誰がどの程度のスキルを持っているかを一覧できるスキル管理表をチームメンバーが作成しました。業務を横串で見た時に、その業務をできる人が一人しかいないと、その人が休んだら支障が出ます。コロナ禍で実感したことでもありましたが、その業務をできる人を複数作っておくためのOJTの一環として進めていきました」

社長賞を受賞するに至るほどうまくいったこの取り組み、成功のポイントは何だったのでしょうか。

「業務改善リーダーを置いて、なぜ業務効率化する必要あるのかというWHYの部分を話し合う場を設けたことで、メンバー間のベクトルが合って活動が加速したのだと思います」

「WHYの一つ目としては、付加価値の高い仕事をするためです。次は、有給休暇をねん出するためです。とはいえ、休んだ時に誰かがやってくれているという安心感を持てる環境づくりも必要です。当時はコロナ禍で突発的な休みも結構あったので、リスク回避という意味でも必要だという結論になりました」

この取り組みでは、業務改善リーダーが社長賞受賞を目標に掲げて進んでいったそうです。田邊さんは「メンバーの皆さんが自走してくれているので、私はほとんど何もしていません。目標設定を促したことと、話し合いの場を設けたぐらいですよ」と謙遜します。しかし、田邊さんのリーダーシップのスタイルはこの一言に象徴的に表れていると私たちは捉えています。

塾はトップリーダーになる意識を目覚めさせてくれた

田邊さんは「人と組織を昇華させるのがプロの管理職だと思う」と話す。そんなプロの管理職としてやっていくために、塾は最高の準備期間だったという。

「塾をひとことで言うと、成長するための原動力、きっかけを与えてくれたところです。塾の内容は帝王学のようなもので、成功するための摂理を学んだ気がします。帝王学を学んだ人は、なるべくしてリーダーになっていく。そのような機会を提供していただいたことに、感謝しています」

中でも、田邊さんが塾での学びを終えて以降も特に意識しているのは、私たちが塾生の皆さんに常々お伝えしている、人のパフォーマンスについての法則「P(パフォーマンス)=p(ポテンシャル)-i(障壁)」です。

「過去の自分を振り返ると、仕事を貯め込んでしまうと誰かに聞きにくくなってしまう障壁を感じてきました。部下も同じような思いを持っているかもしれないので、月に2回1on1を行って自分とメンバーの思考を整理し、一緒にアイデアを出し合い、振り返りを行っています。塾で使ってきたマインドマップを使いながら目標達成のための道筋をまとめていると、仕事の優先順位が明確になります」

「チームの場が安心・安全であることが大前提ですが、自分の失敗もチーム内で共有していくことが大事だと思っています。チームや組織にとって最高の財産になりますからね」

塾では、各塾生にストレングス・ファインダー(SF)を受検してもらい、ご自身の資質や強みを把握し、活用の仕方を学んでもらっています。田邊さんはご自身のSFを「ズバリ、当たっているなと思いました」と言い、強みを使ってあるものを作成していると話してくれました。

「一人ひとりのメンバーの性格などを考慮し、伸ばして欲しいスキルが一目で分かる表を作って自分だけで活用しています。業務上必要な知識の習得や、向き不向きはあるけれどもやって欲しいこと、例えばプレゼンが苦手な人には場数を踏んでもらったりしています。あまり実践できていないのですが、業務を通じてスキルを伸ばすための機会を積極的に提供しようと思っています」

かたちえ取締役・ストレングスコーチの下家千明は、SFで浮き彫りになった強みの資質をうまく活かしてリーダーシップを発揮している一人が田邊さんだと絶賛します。

田邊さんが参加したトップリーダー養成塾の最終日、下家から手渡したメッセージです

「『成長促進』の資質によって上手く教えているから成果が上がる、という好循環が生まれていますし、障害を取り除いてあげるという部分でもうまく強みを使えています。『ポジティブ』と『最上志向』は、社長賞を目指すリーダーとしてチームを導いていったことに表れています」

「一人ひとりが違うことを前提に、部下が何を考えているかという心の機微が分かるので、声掛けの内容も異なってくるはずです」

田邊さんも「見守っているということを示すためにも、声掛けは意識的にやっています」と応じます。

業務終了後のお時間をいただき、オンラインでお話を伺いました

「必要以上なことは何もしない」リーダーシップとは?

今回もう一つ、田邊さんのリーダー性がよく表れていると感じたエピソードを聞かせていただきました。それは、田邊さん自作の「リーダーシップのバイブル」です。「私は、全ての事に向き合います。また、手本となる言動を率先垂範し、かかわる人すべてに良い影響の範囲を拡げていきます」とする行動宣言に続いて、良いチーム運営のための行動指針として①リーダーシップ(チームの先頭に立ち進むべき道を決める)②マネジメント(チームの後方支援に回る)③オーナーシップ(全ての事に向き合い自分事化する)の3点を示し、それぞれについてチームで目標達成するためにはどのように発揮すべきかが書かれています。

田邊さん
「作ったきっかけは、毎年年度初めに行っている目標設定の一つにある『リーダーシップ目標』に書いたことでした。毎年ブラッシュアップしていますし、定期的にもブラッシュアップしています。内容はオリジナルといえばオリジナル。塾で学んだことや書籍などの影響を受けているので、どこまでがオリジナルか正直よく分かりませんが(笑)、自分なりに作り上げた言動指針です」

田邊さんは、最近もリーダーシップのバイブルをブラッシュアップしたそうです。

「『メンバーに自身の想いを伝える』『メンバーの価値観や願望と、組織の目標との共通点を探り、共通点を伝えることによってモチベーションを高めてもらい、組織目標を達成する』『自身の志が明確になっているか常に問い続ける』という内容を入れました。バイブルを作る過程は改めて考えるきっかけになるので、大切にしています」

ご自身の特性を活かしたリーダーシップを磨き続ける田邊さん。今後、どのようなキャリアビジョンを描いているのでしょうか。

「過去に経験したことがない職種でもう少し知識と経験を増やしながら、全社に影響を与えられる仕事ができたらと思います。一番はメンバーが成長すること。では、自分の目標は何かと聞かれたら、学んだことによってより多くの波及を起こせるポジションかもしれません。そのためには、経営についてもっと学ばなければならないと思っています。組織を財務的にも成長させるようなことにどこまで貪欲になれるかが鍵だと思います。あとは健康第一ですね!」

インタビューさせていただいた時間の最後に、田邊さんは夏休みに訪れた水族館で目にしたフレーズに感銘を受けたエピソードを教えてくれました。

行き着いたのは「何もしない」ということでした。

「走り出したら任せる。そのほうが成長しますからね」

田邊さんは、参加したトップリーダー養成塾2019年度第7期最終回の個人発表で「三方良し」というテーマで半年間の成果を発表しました。利己的になるのではなく、部下と組織を成長させながら自分らしく活躍する――。田邊さんならきっと、そのようなリーダーになれるはずです。

トップリーダー養成塾2019年度第7期最終回での田邊さん

かたちえでは、VUCA時代の社会を担う次世代リーダー(管理職、幹部候補、起業など)の育成を目指して、引き続き各種塾を開催していきます。ご関心をお持ちいただける方は塾についての関連記事をご一読いただき、お問合せ下さい。

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